【蓄膿症の治し方】鼻水から蓄膿症?死ぬほど辛いから詳しく紹介するよ。
こんにちは。秘境をめぐる治療家の中村ひろきです!
ぼくは小学生から鼻炎に悩まされているので鼻は弱めだったんですが、先日ついに恐れていたことが起きてしまいました・・・。
あの難敵とウワサされている蓄膿症になってしまったのです・・・。
「風邪からいとも簡単になる」くせに超治りにくいことで有名な蓄膿症。
今回はその症状や対処法、耳鼻科に通院した経過などをまとめました。
蓄膿症にかかった本人による「日本一詳細なレビュー」であることに間違いないので、お悩みの方はぜひ熟読ください。
長いですよ。覚悟してください。
蓄膿症とは?
鼻の「副鼻腔」と呼ばれる空洞に炎症が起こる「副鼻腔炎」が慢性化したもの。別名「慢性副鼻腔炎」とも呼ぶ。鼻の奥の奥にウミが溜まるので、超治りにくい。
副鼻腔の構造
「副鼻腔」とは、鼻の奥にある4つの空洞(前頭洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形洞)の総称です。ぼくは今現在、4つの空洞がある場所全てに「違和感」と「痛み」を感じるので、全ての空洞にウミが溜まってるらしいです。おそろしやおそろしや。
発生のメカニズム
今回ぼくは、風邪が長引いて蓄膿症へと発展してしまいました。
そのメカニズムは・・・
- 風邪のウイルスが鼻腔(鼻の入り口の空洞)で炎症を起こす。
- その炎症が副鼻腔(上の写真の空洞)まで及ぶ。
- 副鼻腔の炎症で起こった膿が外に排出されにくくなる。
- 膿が溜まって炎症が長引く。
こーんな感じ。つまり、風邪の初期段階に鼻の穴で起こった炎症が、奥へ奥へ発展してしまい、その分泌物を外に出しきれなくなることによって起こるワケです。
他にも、鼻炎や花粉症などのアレルギー症状から起こる場合や、カビが体内に侵入して起こる場合もあるようです。これは後述します。
蓄膿症になってしまった
「味なくね?」から始まる恐怖
こないだおれ、風邪引いたのよ。そしたら、2〜3日後には熱と喉の痛みがおさまったのに、味覚と嗅覚がまるでない。そんで、おでこ周辺に鈍い痛み。
▼このへんから「なんかおかしくね?」って思い始めた。
風邪の病み上がりで味覚が喪失したまんま。まるでコーヒーはお湯、アルフォートは砂と泥のようだった。ここで発想を転換して「逆にお湯飲んだらコーヒーっぽくなるんじゃね?」と思ってお湯飲んだけど、やっぱりお湯はお湯だったよ。それではおやすみなさい(´,,・ω・,,`)
— 中村ひろき@TraveLife (@you_chiryoin) 2016年6月13日
▼もうね、おかげ庵でだんご食ってても・・・
▼味もにおいも全くないのね。
▼おれ鍼灸師だし、蓄膿症のツボ押してみるじゃん?
▼押してみるじゃん?
耳鼻科へ行ってきました
▼でも効かないしアッサリ病院行くじゃん?
▼ニュータイプの先生にビビるじゃん?
▼みんなにゆってんじゃん?
▼結構ボケてくるじゃん?
▼人見知りだから心の中でツッコむじゃん?
▼重ねてくるじゃん?
▼と思ったら急にガチじゃん?
▼この後も表現しきれない恐怖が続くのだった・・・
蓄膿症の症状
風邪が長引いたときに、下記の症状が出てきたら要注意!当てはまったらほぼ確定だよ!エビチリよりマーボーだよ!
副鼻腔の違和感
さっきの「副鼻腔」の図をもう一度見てみましょうか。
写真の4つの空洞の総称を副鼻腔といいます。このうちどれかの空洞のあたりに「違和感」「鈍い痛み」「むくみ」が出てきたら、確実にウミ、溜まってます。
ぼくはおでこ周辺が特にひどく、おでこ部分に限定した頭痛もありました。
ドロッとした黄色の鼻水
風邪の症状はとっくにおさまってるのに、黄色い鼻水が出てくる。
これは副鼻腔に溜まったウミの一部が排出されてるんですね。つまり、副鼻腔に炎症が起こっている何よりの証拠なのです。
嗅覚障害・味覚障害
風邪が治ってんのに、嗅覚と味覚が戻ってこない。これ、焦りますよ。
副鼻腔の炎症によって、ニオイを感知する「嗅上皮」と呼ばれる粘膜が、ニオイ情報をキャッチできなくなるんです。
しかも、前述の女医さんによれば、「2年間嗅覚が戻らないと、もう一生戻らない」とのこと。怖すぎぃぃいいい!!!
鼻や口からの異臭
そもそも嗅覚障害が起こってるとわからないのですが、他人はかなり異臭を感じるようです。そのにおいは「ザリガニの腐ったにおい」「生ゴミのにおい」などに例えられるようです。
ぼくの場合、母親にも確認してもらいましたが、異臭はなかったようです。数ヶ月以上放置して慢性化している方は要注意ですね。
集中力の低下
これはほぼ全ての蓄膿症患者に該当します。とにかくボーッとしてしまい、一つの物事に集中できない。
花粉症の方は経験あると思いますが、まさにあの感覚です。
今回ぼくのケースでも、気が付いたらデスクに頬杖をついて、言葉も発せずにポケーっとしてしまうことが何度もありました。
後鼻漏(こうびろう)
俗に言う「鼻が垂れる」ことを、専門用語では「前鼻漏」と言います。コレはその逆。鼻水が喉に流れることを「後鼻漏」といいます。
特に蓄膿症の場合は、粘り気の強い鼻水が喉に張り付くような感じがあります。コレ気色悪りぃんすよぉぉおおおお!!!
▼そういや女医さんも言ってたわ・・・
その他の症状
ここまでは、蓄膿症特有の症状を挙げました。それ以外にも、「鼻づまり」「鼻声」「声がうまく出せない」「頭痛」などの症状がありますが、これらは風邪や鼻炎との見分けが付きにくいですね。
蓄膿症の原因
蓄膿症の原因は、今回ぼくのパターンに当てはまる「風邪が長引いたもの」だけではありません。歯を抜いた後、細菌が副鼻腔まで侵入して起こる悲劇的なパターンもあるんですよ。
風邪やインフルエンザ
ウイルスや細菌感染が副鼻腔に炎症を起こしてなったものですね。今回のぼくは、まさにこのパターンです。風邪そのものは良くなってるのに、副鼻腔のあたりが痛かったり、におい&味がわからないままの時は、注意が必要です。
カビ
カビは専門用語で「真菌(しんきん)」といいます。よって、カビによって起こる副鼻腔炎を「真菌性副鼻腔炎」といいます。一気にヤバそうな名前に進化しましたね。
アスペルギルスやカンジダなどのカビから起こるパターンが多く、それらの真菌が副鼻腔内で増殖し、強い炎症を起こすことによって発症します。
上記のCT検査でバッチリ映ってますね。正常な副鼻腔は黒色なのですが、ウミやカビは「白色」で映ります。他の副鼻腔炎よりも症状が強く、鼻血や高熱を伴うことも多いです。
花粉症や鼻炎
慢性のアレルギー症状から起こるものですね。通常は鼻の粘膜にとどまる炎症が、副鼻腔にまで及んでしまう場合に起こります。
花粉症や鼻炎の鼻水はサラッとした透明のものなので、それが「黄色」になったら要注意ですね。副鼻腔のウミが流れ出している証拠なので、炎症が副鼻腔に及んでいる可能性が高いです。
虫歯
くどいようですが、もう一度副鼻腔の図をみてください。
副鼻腔とは、鼻の奥にある4つの空洞の総称です。そのうち図中の「上顎洞」という空洞は、奥歯としっかり接してるんですね。
だから、奥歯の炎症が副鼻腔に及んだり、細菌が入り込むと、蓄膿症を起こすことがあるのです。
奥歯が次の場合に当てはまるときは起こりやすいので要注意です。
- 虫歯を放置している
- 歯周ポケットが深い
- 歯の神経が自然死している
- 歯根嚢胞が大きくなった
骨格の構造
鼻の中にある左右の仕切りを「鼻中隔」と呼びます。それが成長の過程や交通事故などが原因で曲がってしまう病気を「鼻中隔湾曲症」といいます。となると、鼻の通りが悪くなるので、必然的に排出物が出しにくくなり、蓄膿症になりやすいのです。
日本人の9割以上は多少なりとも鼻中隔は曲がってますが、頭の重だるい感じや、万せ的な鼻づまりなどの症状が出てきたら、鼻中隔湾曲症と診断されます。
手術で治してしまうことも多いので、とにかく年中鼻づまりがあって、蓄膿症のような症状が現れたら医師の診断を受けてください。
蓄膿症・風邪・鼻炎の違い
さて、ここまで蓄膿症の症状や原因を詳しくみてきました。
その中でも、見分けるのが難しい「蓄膿症」「風邪」「鼻炎」をまとめてみました。
蓄膿症の治療法と対策
ここで、今回ぼくが患った「風邪が長引いて起こった蓄膿症」について、実際に受けた治療法をレポートします。かかる耳鼻科によって違いはあると思いますが、特別なことをやっているわけではないので、大差はないと思います。是非参考にしてください。
耳鼻科での処置4本立て
▼1. 超強力な吸引
鼻の中のウミを取り出すために行う。涙も咳も出てクッソ苦しい。人間の鼻の奥の深さに驚かされる技。
▼2. 強制鼻うがい
鼻の通りを良くするために、37℃の塩水を大量に注入する。どこかおばあちゃんの知恵っぽさの残る、古典的な作戦。
▼3. 秘薬の塗りつけ
ノド奥の痰を出しやすくするため、ヘラで舌を「グイッ」と持ち上げて、一瞬の速さで棒の先につけた秘薬を塗る技。
ところが・・・
「グイッ」が気持ち悪すぎてぼくが女医の手をつかんだため・・・
女医はひどく悔しがっていた。
結局、控えめにスプレーをワンプッシュしてフィニッシュ。
▼4. ネプライザー(吸入器)
霧状の薬剤を噴射させて、鼻の穴で吸入させる装置。あったかい蒸気のようなものが出てくる。実はコレ、
- ほとんど苦痛を感じない。
- 副作用が起こりにくい。
- 薬剤の量を調節できる。
- 子供やお年寄りでも使いやすい。
などのメリットがある。
よって、どの耳鼻科でも行う可能性が高い。
薬物療法
▼薬に関して女医はこんなことをおっしゃった。
そのクスリは「絶対に砕いてはいけないデカめの錠剤」らしい。マジで言ってんの?おれ錠剤飲めないって。小学生んとき小さいラムネで練習したことあるけど、ホント無理だったもん。どんな錠剤なんだろ。
▼処方せんを薬局に持ってったら・・・
多いな12種類って。
▼ウワサの錠剤がこちら。
クソでっか。
よし、ここは70点を目指そう。
ということで、口の中で砕いてなんとか飲むことに成功。
「絶対に砕いてはいけない」と言われていたので、何が起こるのかワクワクしていたが、特に何も起こらなかった。
↑あとで調べたところ、このクスリは、肝臓にダメージを与えることを避けるため、効き目が時間差で現れるように表面にコーティングが施してあるようだ。だから、この奇行でおれの肝臓は大ダメージを受けたはず。だからマネしないでね!
【参考】初診のときにもらった処方されたクスリ一覧
- クラリスロマイシン錠
- ツムラ滋陰降火湯エキス顆粒
- ディレグラ配合錠←ウワサの錠剤
- クラシエ辛夷清肺湯エキス顆粒
- セレスタミン配合錠
- アラミスト点鼻液
- メジコン配合シロップ
- トラネキサム酸シロップ5%
- セネガシロップ
- キョウニン水
- アズレン含嗽液アーズミンうがい液1%
- アズノールST錠口腔用
【1. クラリスロマイシン錠】
マクロライド系の抗生物質で、感染症の治療をするクスリ。発疹、発熱、食欲不振、腹痛、吐き気などが現れることもあるので注意。
【2. ツムラ滋陰降火湯エキス顆粒】
粘っこく切れにくい痰を切れやすくする漢方薬。むくみ、血圧上昇、けいれんなどが表れることもあるので注意。
【3. ディレグラ配合錠】
アレルギー性疾患の治療薬。頭痛、発疹、疲労、口渇、じんましんなどが起こることもあるので注意。
【4. クラシエ辛夷清肺湯エキス顆粒】
化膿や炎症を取り除く効果があり、鼻づまりも改善する漢方薬。咳、呼吸困難、発熱、黄疸が現れることもあるので注意。
【5. セレスタミン配合錠】
炎症やアレルギー性疾患を抑えるクスリ。眠くなることもあるので、服用後の運転は控えること。
【6. アラミスト点鼻液】
アレルギー性鼻炎の症状を抑えるクスリ。鼻腔内の噴霧のみに使用すること。
【7. メジコン配合シロップ】
席をしずめるクスリ。眠くなることもあるので、服用後の運転は控えること。
【8. トラネキサム酸シロップ5%】
出血や扁桃腺などの腫れや痛みを抑えるクスリ。血栓のある方は注意。
【9. セネガシロップ】
痰を出しやすくするクスリ。多く服用すると、吐き気や食欲不振をおこすこともあるので注意。
【10. キョウニン水】
咳をしずめ、痰を出しやすくするクスリ。
【11. アズレン含嗽液アーズミンうがい液1%】
のどや口の中の炎症を抑え、粘膜の炎症を抑えるうがい薬。1回15〜23滴を100mlのぬるま湯に入れてうがいすること。
【12. アズノールST錠口腔用】
扁桃腺や口の中の炎症を抑えるクスリ。 上唇と歯ぐきの間に挟み込んで使うこと。使用中に口の中が青色になるもあるが、特に心配なし。
手術
▼内視鏡下副鼻腔手術
ぼくが通院中の女医もビビらせてきますが、重症の場合は手術することもあります。手術内容は「歯ぐきを取って、アゴの骨を削って、副鼻腔からウミを取り出す」という鳥肌モノですが、それはもう過去の話。
今は内視鏡手術が普及しており、日帰り〜2泊程度で済んでしまうケースが多いようです。
内視鏡手術では、内視鏡と手術器具を鼻の穴から挿入し、鼻腔内をモニターで映しながら手術を行います。そして、空気や分泌物が通りやすくなるように鼻の通路を広げ、鼻本来のはたらきを改善させます。
他に、鼻中隔湾曲症など骨格の構造に問題がある場合は、「内視鏡下鼻内整復術」と呼ばれる手術を行います。これは、曲がっている骨を取り除いて、切開部を縫い合わせるために行います。
手術後の注意点としては、
- 鼻をかむときは静かに片方ずつ行う。
- 入浴はぬるめ&短時間で行う。
- 激しい運動は控える。
- アルコールは控える。
などが挙げられます。しばらく鼻をかんだときに血が混じることがありますが、大量でなければ自然に少なくなる傾向にあります。
漢方薬
今回ぼくも一部漢方を処方されましたが、他の治療は一切行わず、漢方オンリーで完治させるのは難しいと思います。あくまで耳鼻科での通院に加えて補助的に使うことをオススメします。
ここでは、副鼻腔炎でよく使われる漢方薬の一覧はコチラ。
- 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
- 葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
- 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
それでは一つずつ説明していきます。
【1. 辛夷清肺湯】
「ウミの排出効果」と「炎症を抑える効果」があり、ドロっとした黄色の鼻水がたくさん出る方に処方される漢方です。蓄膿症の市販薬として一般的に知られている「チクナイン」も、コレを顆粒タイプと錠剤タイプに分けた商品です。
具体的に、蓄膿症の中でも次の項目に当てはまる方に適応します。
- 鼻の中が乾燥していてウミが出にくい。
- 鼻水が少なく、鼻づまりがある。
- 鼻からのどにかけて熱を感じる。
症状が強いときに使われる漢方なので、他の漢方薬が効かなかったときに使うケースが多いようです。
辛夷清肺湯(=チクナイン)はAmazonで買うこともできます。
【2.葛根湯加川芎辛夷】
葛根湯に「鎮痛作用」や「血行を良くする作用」があるものを配合させたモノがコレ。比較的体力のある方が対象となり、特に鼻づまりが強い方に適応します。
また皮膚のかゆみ、吐き気、食欲不振などが起こったら、使うのを一旦中止して医者や薬剤師に相談してください。
こちらも錠剤と顆粒の両タイプが販売されています。
・【第2類医薬品】「クラシエ」漢方葛根湯加川芎辛夷エキス錠 96錠
・【第2類医薬品】「クラシエ」漢方葛根湯加川芎辛夷エキス錠 180錠
・【第2類医薬品】「クラシエ」漢方葛根湯加川芎辛夷エキス錠 360錠
・【第2類医薬品】ツムラ漢方葛根湯加川キュウ辛夷エキス顆粒 24包
・【第2類医薬品】「クラシエ」漢方葛根湯加川キュウ辛夷エキス顆粒 45包
【3. 荊芥連翹湯】
「ウミの増殖を阻止する作用」「熱を発散させる作用」がありますが、症状の強い方に使われることが多い漢方薬です。そのため、副作用がおこることもあるので、次のような体質の方に向いています。
- 体力がある方
- 肌が浅黒い方
- 手足の裏に脂汗をかきやすい方
反対に冷えがあって、肌が青色い虚弱体質の方には向かないので、注意が必要です。にきびやアトピー、扁桃炎にも使われることがあります。
こちらも錠剤と顆粒の両タイプが販売されています。
鍼灸治療
中国で修行を積んで、確かな実績を積んだ鍼灸師の先生はたくさんいらっしゃいます。よって、耳鼻科だけでなく、治療院や鍼灸院で蓄膿症を治療する選択もアリでしょう。
まず、東洋医学では蓄膿症をどのようにとらえているか簡単に説明します。
東洋医学では、一口に「蓄膿症」といっても、原因や体質を探っていくと4つのタイプに分けることができます。あなたはどれに当てはまりますか?
- 肺気虚寒(はいききょかん)タイプ
- 脾虚湿盛(ひきょしっせい)タイプ
- 肺経鬱熱(はいけいうつねつ)タイプ
- 肝胆火盛(かんたんかせい)タイプ
【1. 肺気虚寒タイプ】
鼻水は白く粘っこい。鼻づまりは時によって変化しやすい。寒く感じると症状がひどくなる。嗅覚が鈍くなる。風邪が長引いた時に起こりやすい。
【2. 脾虚湿盛タイプ】
鼻水は白く量が多い。鼻づまりは強い。頭の重だるさがある。便がいつも柔らかい。吐き気や食欲不振がある。脚にむくみがある。
【3. 肺経鬱熱タイプ】
鼻水は黄色く粘っこい。おでこあたりに痛みがある。発熱がある。咳も出る。
【4. 肝胆火盛タイプ】
鼻水は黄色く臭いが強く量が多い。嗅覚がなくなる。頭痛がある。
これらのタイプにまるっきり当てはまるのなら、耳鼻科ではなく、鍼灸治療を受けてみるのもアリだと思います。そこで考えるのが、メリットとデメリットですよね。下にまとめました。
鍼灸師のぼくが考える「鍼灸治療」を受けるメリットはコレ。
- 腰痛や冷え性など、今まで自分を悩ませてきた慢性的な持病の原因も突き止めることができ、体質ごと根本から改善できる可能性が有る。
- 一般的な病院で出される化学物質の入ったクスリを使わないため、それによって胃や肝臓にダメージを与えることがない。
- 「蓄膿症」とひとくくりにしないで、どんな習慣や体質がもとになって起こったのか詳しく調べるため、ひとりひとりに合わせたオーダーメイドな治療が受けられる。
反対に、デメリットもあります。
- 費用が高い。
- 時間がかかる。
- 情報が少ない。
耳鼻科はたいてい近所にありますが、「蓄膿症に強い鍼灸院」がピンポイントで自宅近くにあるケースは少ないでしょう。また、情報のない鍼灸院に飛び込みで入るのはオススメしません。これは鍼灸師のぼくは言うからガチ。
となると、やはり第一選択としては耳鼻科がやや優勢。ですが、時間と根気があって近所に評判の鍼灸院があるなら、そちらを受けてみるのもクール!という所がぼくの至った結論です。
鼻うがい(=鼻洗浄)
耳鼻科の処置でも嫌というほどやらされるのですが、ここでオススメするのは自宅でやる方法です。蓄膿症って、自分でやれることがなくてすげえモヤモヤするんですよね。そんなら、耳鼻科でやられたアレを家で再現してしまえ!ってワケです。
ここでひとつ雑学。
プールの中で鼻に水が入ると、「ツーーン!」としてめっちゃ辛いですよね。実はあれ、プールの水と体内の水分は成分が違うからなんですよ。体内の水分に近い「37℃前後の食塩水」なら、全くツーンとしないって知ってました?だから、鼻うがいって痛くもかゆくもないんです!
やり方
- コップに37℃のぬるま湯を準備する。1リットルに対して9グラムの入れてかき混ぜ、生理食塩水を作る。
- 正面を向き、どちらか片方の鼻の穴をふさいで、もう片方の鼻で食塩水を吸い込む。
- 最初は吸い込んだ水を鼻から出す。慣れてきたらもう少し鼻の奥までとどくように吸い込み、口から吐き出す。絶対飲み込まないように。
▼わかりやすい図がありました。
引用:http://girlschannel.net/topics/301083/
効果
蓄膿症では黄色の鼻水をどんどん出すことがそのまま治癒になりますが、鼻をかみすぎると中耳炎になってしまう恐れもあります。鼻うがいなら、正しいやり方で行えば全く無害で、自然に鼻の奥のウミを排出させることができます。
コツをつかむまでに時間がかかりますが、一度マスターしてしまえば、蓄膿症でないときにも定期的に洗浄することで、「鼻づまりの解消」や「風邪の予防」に役立ちます。
ぼくも、蓄膿症にかかったことで自分の鼻の弱さを思い知ったので、毎日これでもかというくらい鼻うがいしまくってます。
注意点
・水道水をそのまま使わないこと
水道水にはわずかに細菌やアメーバなどの微生物が含まれています。それらは鼻腔内で死滅させることができない場合があり、神経をたどって脳に達すると「アメーバ脳炎」を引き起こすことがあります。
・別目的の薬品は使わないこと
殺菌作用を期待して、口うがい用の洗浄液を鼻うがいでは使わないでください。中には殺菌作用の強すぎるものもあり、鼻粘膜の炎症を引き起こすことがあります。
・飲み込まないこと
鼻うがいで口に流れてきた水は、そのまま吐き出すようにしてください。飲み込むと、耳に流れ込むことがあり、中耳炎を起こすことがあります。鼻と耳はつながってますからね!
・洗浄後は鼻を強くかまない
鼻うがいの直後は、どうしても鼻をかんでスッキリさせたくなりますが、ここでも強くかみすぎると耳に流れ込んで中耳炎を引き起こすことがあるので注意です。
アイテム
鼻うがい専用のアイテムもあります。Amazonにはいかにも家庭用って感じの品しかない様子。女医も愛用してた注射器っぽいやつほしいなぁ。
▼一番ベーシックなのがこれ。洗浄器具&洗浄液もセットです。
▼最近出たシャワータイプ。お子様でも苦痛が少なそうです。
▼こちらは洗浄液のみ。器具はついていないのでご注意ください。
蓄膿症の治療にかかる費用
耳鼻咽喉科の場合
現在3回通院しました。3割負担のぼくの場合、内訳は次の通り。
(※また追記します!)
たった3回の通院で約8,000円。薬代がじわじわくるなぁ。
鍼灸院・治療院の場合
今回ぼくはかかっていませんが、1回の相場は「3,000〜15,000円」と幅広いです。ちなみに鍼灸の場合、蓄膿症の治療は保険適応ではありません。
いろんな院のホームページを見てみるとわかりますが、「中国で経験を積んだ先生の治療院」「東京23区内の治療院」は値段が高くなる傾向にあります。
保険が使えない上に情報が少ない鍼灸院で、時間とお金を浪費しないコツは、
- 最初の診療が終わって「蓄膿症の程度」「どのくらい通院が必要か」この2点について、明確な答えを出せる先生であること。
- なかなか予約の取れない人気の先生であること。
- ホームページ上に、蓄膿症を治療した「確かな実績」を明記していること。
注意点としては、必ず「治療院単位」ではなく、「先生単位」で判断すること。同じ院の中にも、合う先生と合わない先生がいるからです。できれば、毎回同じ先生が診てくれるのかチェックしたいところですね。
蓄膿症の合併症
風邪から蓄膿症に進化してきたのに、まだ進化すんのかよ!風邪ってホントに油断ならんですね。「風邪は万病の元」って言ったヤツ天才かよ。
中耳炎
ウミを出すために強く鼻をかみすぎたりすると、中耳炎になる恐れがあります。確かにウミが出れば出るほどラクになるので気持ちはわかるのですが、注意が必要です。
眼窩内感染症
服鼻腔の炎症が眼に及び、目が痛くなったり、涙が止まらなくなるなどの症状があります。場合によっては視力が落ちるなどの後遺症が残ることがあるので、やはり蓄膿症は放置してはいけませんね。
脳の合併症
服鼻腔の炎症が脳に達すると、「脳膿瘍」や「髄膜炎」を起こすこともあり、数は少ないですが「意識障害」「死亡」を引き起こす例もあります。たかが鼻といって軽くみてしまいそうですが、鼻って顔の真ん中にあるので、炎症が広がると他の場所に影響を与えやすいんですね。コレが蓄膿症を甘くみてはいけない理由の一つです。
蓄膿症にも2つ「メリット」があった
1. 痩せた
これホント「蓄膿ダイエット」と呼ばせてもらうわ。ずーっと体重60キロでほぼ固定だったんだけど、蓄膿症になったら1週間で2キロ痩せたよ。悪い痩せ方ではなくて。
これは、味覚を感じなくなることによって「どーせおれなんて」といじけ気味になっちゃうことがミソ。「どーせ味しねぇんだから」ってことで、ラーメンとか揚げ物とか、カロリーの高いものを食べないようになるんだわ。
そこでずっと食べてたのがコンビニで売ってるおかゆ。そしたら便通も良くなるわ、みるみる体重減るわ、いいことづくし。おかゆってすげえわ。日本人が昔から「さん付け」してる意味がわかったよ。おかゆさん。
2. 臭くなくて無敵
▼それは仕事中の出来事だった・・・
ぼくの仕事のひとつに「老人ホームへ訪問してマッサージ」ってのがあるんだけど、こうやって不意に患者様のう○こを触っちゃうことはよくあることなんだわ。
やっぱ嬉しいか嬉しくないかで言えば嬉しくないんだけど、蓄膿症になった時は「臭くねぇぇぇえええ!!!」って感激したよ。初めて買ってもらった長ぐつで水たまりを歩いた時の「無敵感」に似たものを感じました。
おわりに
単なる「鼻の病気」にとどまらず、なかなか怖い病気だということがおわかりいただけたでしょうか?コレほんと今まで花粉症とか鼻炎とは無縁だった人も「風邪から」起こるから注意が必要ですよ。予防はなんとしても「風邪を長引かせないこと」に尽きます。
ちなみに、ぼくの通っている名古屋市北区の河村耳鼻咽喉科はマジでおすすめ。女医はドSだしすぐ脅かしてくるけど、こんな熱血で愛のある先生は久しぶりに見たよ。ぼくはずっとここに通い続けます。
なお、ぼくの蓄膿症はぜんぜん完治しておらず、絶賛治療中。よって、新しい情報が更新され次第追記していきますね。クソ長いのに最後まで読んでくれてありがとう。
それではアディオス!
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