あなたのカラダは「足を組む」おかげで助かっているんですよ、という話。

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こんにちは。秘境をめぐる治療家、中村ひろきです!

ネットや雑誌の記事を見ていると、

「足を組むな!」

「胸を張れ!」

などと、まるで軍隊の指令のような声が飛び交っています。

ぼくはそれを見るたびにため息が出ます。

 

いや、違うんだよぁ・・・。

 

実は、足を組んだり背中が丸くなったりすることって、それ自体は悪いことじゃなくて。

それなりの理由があって、カラダが無意識に「足を組む」姿勢を選んでるんですよ。

今回は、このことを少しだけ深く掘り下げてみようと思います。

 

無意識はすげえデキるヤツ

あなたのカラダが無意識にする仕草や姿勢って、どんなモノがあるでしょうか?

  • 足を組む
  • 腕を組む
  • 猫背になる
  • ほおづえをつく
  • ポケットに手を入れる

とまぁ、瞬間的に思いつくモノだけでも結構ありますね。

実はコレ、それなりに全て意味があるのであって、ただなんとなくクセになっているのではありません。

例えば、わかりやすいのが「ほおづえをつく」クセ。これは何をしているかというと、手を「顔置き場」にすることで、首の後ろの筋肉を休ませてるんですよね。

猫背で顔を前に突き出していて、首の後ろの筋肉が常にこっている人がよくやるクセです。

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では、この時にほおづえをつかないとどうなるでしょうか?

おそらく首の後ろ→背中→腰へと疲れが伝わってゆき、しまいには内臓のはたらきまで影響を及ぼしてしまいます。

つまり、「ほおづえをつく」ことで首を休めて、疲れが全身に回ってしまうことを防いでいる。これをカラダが無意識にやっている。

ほら、無意識ってすごいでしょ?めっちゃデキるヤツなんすよ・・・

 

▲人間の無意識のスゴさを深く知りたい人はこの本がオススメです。

 

無意識には逆らえない

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 上の例をみて、決して「ほおづえをつく」という行為自体が悪いワケではない、ということがお分かりいただけたでしょうか?

ほおづえをつくこと自体は、疲れた首の後ろの筋肉を休ませている目的があるわけで、本当に悪いのは首の後ろの筋肉を疲れさせた「長時間のパソコン作業」「習慣化してしまった猫背姿勢」にあるのです。

その根っこを治さずして、「ほおづえをつく」という表面上の見た目だけ治そうとしても、絶対にうまくいきません。

カラダが無意識に選んでくる姿勢や仕草には逆らえないのです。

むしろ、逆らうどころか、ありがたいと敬意を払ってもいいくらいでしょう。

眼の潤いを保つためのまばたきや、体外に不要物を出そうとするくしゃみも、何を隠そう無意識のチカラなのです。

 

カラダはなぜ「足を組みたがる」のか?

今回の本題です。

あなたの中の無意識は、なぜ「足を組みたがる」のでしょうか?

ぼくは、これはいくつかの原因があると考えています。

  • お尻の筋肉が疲れているから
  • 股関節が外にねじれているから
  • 片方の骨盤だけ開いているから
  • 腰がねじれているから

これらの原因が複雑に重なり合った結果、カラダが「足を組んだ方が都合が良い」と判断した時に、無意識に「足を組む」姿勢をとるのだと考えています。

少し専門的で難しい話になってしまうので、今回は上に挙げた例のうち、ひとつだけ説明しましょう。例えば「お尻の筋肉が疲れているから」の場合を考えます。

 

チョット下の画像をみてください。

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カラダが無意識にとる姿勢の基準のひとつに「疲れている筋肉をストレッチしたい」というモノがあります。

疲れている筋肉は血流が悪くなって硬くなっているので、そこを伸ばして血流を良くしよう、というわけです。

そういう見方でみた時に、「足を組む」という姿勢は、お尻の「梨状筋(りじょうきん)」という筋肉をストレッチした姿勢なのです。

つまり、この筋肉が極端に疲れている人は、「足を組む」姿勢をとりやすい、ということになります。

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水色の部分が梨状筋(りじょうきん)

 

座り方でどこの筋肉がこっているのか詳しく知りたい方は、この記事も参考にしてください。

参考記事:素人が「座り方」をみて1秒で腰痛の真犯人を見抜く裏技 

 

「足を組む」の正しい対処法は?

上の例のように、足を組む原因が「お尻の筋肉が疲れていること」だった場合、どのように対処すればいいのでしょうか?

間違っても、ネットや雑誌に載っている「足を組むのをやめなさい」というアドバイスを鵜呑みにしてはいけません。

なぜなら「足を組んで」お尻の筋肉をストレッチしているおかげで、とりあえず助かっているのですから。

大切なのは、なぜ足を組まなければいけなかったのか。その根っこにある原因を探って、その原因を少しずつ取り除いていくことです。

その根っこの原因がなくなれば、カラダは「無意識に」足を組まなくなります。

ぼくが「正しい姿勢は『する』ものではなく『なる』もの」と繰り返し言うのは、こういうことなのです。

 

「足を組む」必要が生まれた根っこの原因は人それぞれ違うので、当然ながら対処法も実にさまざまです。

骨盤のゆがみを整えたり、肩甲骨まわりの硬さをほぐしたり、心身のストレスを解消したりすることで、カラダから自然と「足を組まなければいけない理由を消すこと」が正しい対処法なのです。

 

まとめ

・人間が無意識に行う姿勢や仕草には、それなりのワケがある。

・ヒトは「足を組む」ことでゆがみや疲れからカラダを守っている。

・「足を組む」もともとの原因を取り除くことが正しい対処法。

 

このブログでは、今後も「ネットで検索しても出てこない」カラダの真実を淡々と伝えていく予定です。

実際に「足を組む」クセに立ち向かう骨盤まわりの体操もアップしていきますね!

今回は、無意識に行う姿勢のクセは「表面上の見た目だけ取り繕っても絶対解決しない」という事実を、ひとりでも多くの人に知ってもらえたら嬉しいですねー。

 

著者のプロフィール:

「25歳、社長、世界一周」から「28歳、全財産、1900円」を経験した中村ひろきのプロフィール

 

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