腰を反らすと痛いときは腹筋が原因?鍼灸師が教える腰痛とっておき改善策

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こんにちは。秘境をめぐる治療家の中村ひろきです!

今回は「腰を反らすと痛む」という方のために、真の原因を突き止めて対処法をお教えてします。

 

その前に、最初にひとつだけ頭に叩き込んでほしいことがあります。

 

腰の痛みの原因は、腰ではありません。

 

「腰を反らすと腰が痛い」といっても、腰そのものに原因があるわけではないので、

・腰を温める

・腰を冷やす

・腰に電気を当てる

・腰にシップを貼る

・腰のストレッチをする

こういった対処をしても、見事に1ミリも良くなりません。

 

では、真の原因はどこにあるのでしょうか?

 

腰を反らすと痛いときのセルフチェック

腰を反らすときに腰の痛みの原因を作る筋肉はひとつではないので、犯人を特定するために簡単なテストをします!

 

ザックリ言えば「イスに座って腰を反らしても痛いか?」コレだけです。

 

まずは立った状態で腰を反らして、痛みを確認します。

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この時の痛みの程度を覚えておいてください。

 

次に、イスに座った状態で腰を反らします。

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どうでしょうか。立った時と比べて痛みは変わりましたか?

 

セルフチェックが終わったら、次へ進みます!

 

座ると腰を反らす痛みが消える時の原因

座ると腰を反らす痛みが消えた場合は脚が原因です。

 

「は?腰が痛いのに脚が原因とかふざけんな。」

 

とお思いの方。そう思うのも無理はありません。

ここでカンタンにその理由を説明しておきます。

 

(「理屈なんてどうでもいいわ」という人は次章に飛んでください。)

 

通常「腰を反らす」動作をする時は、後ろに倒れていく骨盤と連動しながら反っていくことになります。

ところが、ふとももの前側の筋肉「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」が硬くなっていると・・・

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骨盤が後ろに倒れません。

※ピンクと赤で示したものが大腿四頭筋です。

 

骨盤が後ろに倒れる助けがないぶん、背骨にのしかかる負担が増して痛みが出る。

こういう原理で、腰に原因はないけれども、腰に痛みが出るというわけです。

 

つまり、この場合は腰をいくらいじくったところで痛みは解決しません。

それよりも、大腿四頭筋の硬さを取ろうということになるんですね。

 

言うまでもなく、座ると腰の痛みが消えたのは「大腿四頭筋の力が抜けていたから」ということになります。

 

座ると腰を反らす痛みが消える時の対処法

座ると腰を反らす痛みが消えたのは脚が原因。

それも、ふとももの前側の筋肉である「大腿四頭筋」が犯人ということがわかりましたね。

 

そうなれば、やることは「大腿四頭筋の硬さを取ること」コレに尽きます。

 

大腿四頭筋を温める

特にヒールを履く女性や立ちっぱなしの仕事の場合は、ストレッチを行う前に温めておくとより効果的に硬さを取ることができます。

電子レンジで温めるタイプのホットパックを使ってもいいですし、お風呂にゆっくり浸かるのもアリです。

あ、冷やすのは逆効果なのでご注意を。

 

大腿四頭筋のストレッチをする

よほど痛みが強い場合でなければ、ストレッチから行っても構いません。

過去記事:腰痛ストレッチ完全版!6つの筋肉を効果的にゆるめる14の方法

 

こちらの「大腿四頭筋」の章を参考にしてストレッチを行ったのち、もう一度腰を反って痛みがどれくらい軽くなるか試してみてください。

 

座っても腰を反らす痛みが残る時の原因

座っても腰を反らす痛みが残る時の原因はお腹です。

「は?腰が痛いのにお腹が原因とかヤブかよ。」

と思われても無理はありません。

 

理屈はいいから対処法を教えろという方は次章に進んでいただくとして、なぜ腰が痛いのにお腹が原因なのかザックリ解説します。

 

実は、筋肉のコリは「離れた場所へ痛みを送る」という困った性質があります。

偏頭痛の原因が首の筋肉だったり、目の奥の痛みの原因が肩の筋肉だったりすることは日常茶飯事です。

 

「腰に電気を当てても1ミリも治らない」原因は、まさにこの性質によるものです。

 

お腹の筋肉も当然この性質があり、お腹の筋肉が緊張して硬くなっている時は、腰に痛みを送るケースがとても多いのです(一般医学ではほとんど知られていませんが)。

 

でね、お腹に手を当ててみるとわかると思うのですが、

 

立った状態でも座った状態でも腰を反った時に力が入る筋肉って、ほとんど腹筋しかないんですよ。

 

よって、この場合はお腹の筋肉の硬さをゆるめることが腰痛改善に直結するというわけ。

 

原因がほぼ特定できたところで、対処法に進みます。

 

座っても腰を反らす痛みが残る時の対処法

それでは「お腹の筋肉をゆるめる方法」をいくつかお教えします。

お腹を温める

こちらもおすすめは電子レンジを使ったホットパックを使った方法。

「温める」という方法は古典的で気休めにしかならないイメージがありますが、キッチリ痛みの原因を特定してピンポイントで使うと本当によく効きます。

 

ポイントは「へその下あたり」を温めること。

なぜなら、腹筋の中でも特に「腰に痛みを送るコリ」は、その周辺に形成されることが多いからです。

 

ちなみにコレ、冷たいものを食べて腹を壊した時に使ってもメチャ効果があります。

お腹を温めるとよくなるのは腰だけでなく内臓の働きもよくなるので、便秘や冷えでお悩みの女性なんかイイですよ。

 

もちろん、ゆっくりとお風呂に浸かるのでも十分お腹を温めることが可能です。

 

お腹をマッサージする

単に「お腹をマッサージする」と言われてもわけがわからないと思います。

 

具体的には、イスに座って楽な体勢を作り、

 

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赤丸部分を両手ゲンコツではさみ、深呼吸をしてください。

これを繰り返すと、お腹の筋肉が徐々にゆるんでいきます。

 

腰に痛みを送るのは「へその下あたりのコリ」ですが、ここでは肋骨の下から始まる水色部分の腹筋全体に行ってください。

 

ここはグリグリやらずに、一箇所ずつ深呼吸しながらゆったり行った方が断然ほぐれます。

 

終わったら、再度腰を反らして痛みが軽くなったか確認してください!

 

まとめ

今回「腰を反らす時の痛み」というテーマを通して伝えたいこと。

それは、腰の痛みの原因は腰ではないということ。

 

“病院で半年くらい腰に電気を当てても、全然良くならない”

 

こんな愚痴をこぼしているお知り合いがいらっしゃったら、この事実をぜひ伝えてあげてください。

 

まぁ、今回の方法だけで痛みがサッパリ消えてしまうチョロい腰痛はそんなに多くないので、上記の方法で痛みが取れない時はいつでもご相談くださいね。

 

それではー!

 

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