【百島】人口500人余りの島が見事に日本の縮図だったので語らせてください。

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 こんにちは!秘境をめぐる治療家、中村ひろきです! 

ぼくは集落や離島などの秘境へ出張治療する遊びをしています。

で、こないだ瀬戸内海に浮かぶ百島(ももしま)ってとこに出張してきたんです。

人口500人余りの小さな島だったんですが、コレが見事に日本の縮図だったんですよ。

 

今回は、その実態を少しだけ語らせてください。

 

「百島ってどこ?」という方のために

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百島(ももしま)

瀬戸内海に浮かぶ広島県尾道市の離島。

島の大きさは周囲12キロの小さな島。

島の人口は573人(平成24年9月現在)。

尾道駅前桟橋より高速船で25分。

百島.netより引用 

上記のサイトによると、

・カヤック

・パドルサーフィン

・百島せんべい

などが有名とのこと。

ま、正直どこの島にもありそうな印象ですね。

 

「今日はお葬式なの。」

ぼくが滞在した一泊二日のうちに、島民3人の方のお葬式がありました。

人口500人余りのうちの3人。結構な数字だと思いませんか?

すごくのどかな島なのですが、喪服に身を包む島民の方とすれ違うたびに、少し慌ただしさを感じました。

テレビや新聞で「高齢化」の文字を嫌というほど見てきましたが、これほど急速に進む高齢化を実感したのは初めてでした。

 

身をもって「高齢化」を実感したのは、お葬式の件だけではありませんでした。

施術中、島民の方から耳の痛いお話を聞くことができました。

 

「百島はみかんの栽培が有名なの。みかんは斜面に作った方が美味しくできるから、みんな斜面に植えてたんだけど、みんな脚が悪くて坂道を登れない。だから、高い所にあるみかんの木から、だんだん放置されてるの。」

 

なかなかツライ現実ですよね。

島民の方は、昔から大事に育ててきたみかんの木の場所へ、到達することすら困難になってるんですよ。

都会人は、田舎の人たちに対して「田舎の人は元気ハツラツ!」という勝手なイメージを抱きがちですが、実際はそうではない。

島民の方は、最後に吐き出すように言いました。

 

“農業はタイヘンよ。みんな無理してやってるの。”

 

「みかんの木」は百島特有の事情ですが、本質的には変わらない問題が日本中でも起こっています。

みかんの木どころか、家から徒歩5分のスーパーに買い物へ行くことができない。2階へ上がる階段が登れない。という高齢者で日本中あふれかえっています。

 

若者を必要としてる感満載でしたわ。 

チョット2枚の写真を見てもらえますか。

 

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上の写真は、ぼくに出張治療の仕事をくれた百島ふるさと農園の西野さん夫婦です。

なんとこれ、島民の方が全総力を挙げて行われた結婚式だったんですよ。

島での結婚式なんて超珍しいことなので、テレビの取材も受けたそうです。

 

 

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また、この写真は、ぼくの治療でヒザがめちゃ伸びるようになって、2日連続で施術を受けにきた島民のおばちゃん。

下の記事でもお伝えしましたが、このおばちゃんは「ウチにある空き家を使っていいから、寝泊まりしながら治療院やって!」と猛アピール攻撃でした。

参考記事:【百島】秘境をめぐる治療家がサクッと離島の空き家をゲットしてきた

 

さて、

  • 島民が全総力を挙げた手作り結婚式
  • 空き家の使えと興奮気味のおばちゃん

この2つの話からぼくが超強烈に感じたこと。

 

 

それは。。。

 

 

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「この島めっちゃ若者必要としてね?」

 

 

てことなんですよね!

そして、たぶんこれは百島だけじゃない。

日本全国ほぼすべての離島が、集落が、農村が、エネルギーに溢れた若者を強く欲してるんですよね。

 

戦わずして勝ちたいなら、迷わず若い人は今すぐ田舎に行くべき。

欲しい物はアマゾン様、欲しい情報はグーグル様がいるから大丈夫!

 

・・・と、名古屋は栄のオシャレカフェからお送りしています。

 

百島でやらかしてくれそうな人たち

うるしさん

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なんかネガティブな空気をまき散らしてしまったけど、実は百島には、おもしろいことをやらかしそうな若い移住者さん達がたくさんいましたよ! 

上の写真右の漆原さんは、モトクロスで10カ所以上余裕で骨折してるタフなお方。

この島にはそういうタフさをもった人が必要なんですよね、きっと。

島内で貸別荘を経営してたり、カヤックツアーの企画をしてたり、移住者支援までされてるようです。

こういう「めっちゃ色々やってて何者かよーわからんアクティブな人」って、すごく貴重ですよね!

ぼくにTシャツまでプレゼントしてくださって、すごく優しくしてくれました。

 

トシミさん

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東京でガッッッツリとパン屋をやっていたトシミさんは、ぼくが訪れた時点で移住歴2ヶ月のほやほや転入生。

島内でパン屋さんをオープンさせるために、イチから作り上げていくとのこと。

新しく若者が移住し始めた地域に、パン屋がオープンすると急にその地域がクールに見えるのはぼくだけでしょうか。

パン屋って不思議な力もってますよね。島民のおばちゃん達もめっちゃ楽しみにしてるらしいです。

また、ぼくが治療した後、トシミさんが焼いてくれたグラノーラは絶品でした。気になる方はトシミさんのブログをチェックチェック〜!!

 

西野さん夫婦(愛ちゃん&しょーご君)

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最後に紹介するのは、結婚式で登場した西野ご夫妻。

奥さんの愛ちゃんがぼくの高校同級生という縁で、今回は出張させてもらったのでした。

二人はかるーく世界を二周くらいしてる筋金入りの旅人。百島でたくましく生きる姿はホント大したもんだなぁと感動しました。

商店も食堂もないこの島で「土曜朝市」なるものを勝手に作り上げてしまい、島民の方に浸透させていく行動力の高さ。

この島に限らず、地方のどっかに移住する際に不安なことがあったら、もうなんでもこの夫婦に相談すればいんじゃね?と思います。ホントに。

二人は百島ふるさと農園を運営しながら、3つくらいのナリワイをこなしてました。ほんとに田舎って仕事があふれてるんだなーと実感。

高齢の方から頼まれる草刈りの仕事だけでも、多すぎて超断ってるらしいんですよ。

これ、絶対日本のどこの田舎も同じ状況でしょうね。草なんてどこでも生えますし。

頼める若者もいない集落の雑草は、いったい誰が刈っているのでしょう。

 

かってにかんがえたももしまけいかく

瀬戸内海っていくつ島があるか知ってます?

ぼくも聞いてビックリしたんですが、人が住んでる有人島に限ると300個あるらしいのです。

この中で観光客を呼び込むために差別化することって、すごく大変ですよね。

実際に百島へ足を運んでみればいい島ということはわかるんですが、今はネットで行き先を決めてから行動する時代です。

ネットで「みかん」「パドルサーフィン」「夕陽がキレイ」の文字が並んでいても、どこか他の島の大差ない印象を受けてしまいます。

 

そこで、セミも触れない超都会派のぼくが、クソ自分勝手なアイデアを考えてみたよ!全部スルーしてね!

 

セレブ御用達のお忍び島にする

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「瀬戸内海の離島と言えば?」と聞かれてパッと思い浮かぶ島はなんでしょうか。

きっと一般の方の回答を平均すると「小豆島、淡路島、直島」くらいだと思うんですよね。それ以外の島はほとんど認知されていないと思います。

が、しかし。

角度を変えれば「認知されていない」点って、すごく武器になるんですよね。

都会の喧騒を逃れて一般人の目につかないところを好む芸能人や有名人にとっては、一般人に認知されていないことはとても価値が高い。

実はこの百島、実はそのあたりをターゲットにした高級貸別荘が存在します。

その名も瀬戸隠れ家リゾートCielaです。こんな別荘が存在すること知ってました?

このブログがキッカケで有名になることはないと思うので、少し紹介させてください。

 

この別荘、港からだいぶ離れた目につかないところにあって、ホント文字通り隠れ家なんですよ。

キッチンには「ガラムマサラ」とか絶対使わなさそうな調味料までそろえてあって、とことんセレブが喜びそうなツボをおさえていました。

モチロン一般の方も泊まることができます。お忍び戦略よさげ〜!

 

北欧的な別荘の価値観をパクる。

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北欧フィンランドの人って、普段生活している家の他に、休暇中に過ごす森の中の別荘を構えてるんですよね。

でも、その別荘は電気もガスも通ってなくて、食料も自給自足で調達するのが当たり前。

日本のような物質的な豊かさを求めている人はいなくて、みんな精神的な豊かさに重点的な価値を置いているのです。

物質的な豊かさが既に限界に達している日本人は、今後どんどん精神的な豊かさを求める方法にシフトしていくでしょう。

となれば、食堂も商店も一切無い百島は、この「北欧的な価値観をもつ別荘地」になれると思うんです。

「百島の貸別荘は安いよ。その代わり火は起こしてね。食料も調達してね。」って放置プレイの別荘地、おもろいじゃないすか〜!

全国からこぞって自給自足で生活してみたいアウトドアマニアが集結しそうです。

 

ちなみに「北欧の幸せの価値観」について超わかりやすくまとめた本があるので、もし興味がある人がいたら読んでみてくださいね!

この本では、

・北欧の人に「今欲しいものは?」と尋ねると・・・

・北欧の人の長期休暇の過ごし方

・北欧に住む日本人のインタビュー

など、日本よりずっと早くから「精神的な幸せ」が浸透している北欧の人達の貴重な声を聞くことができますよ。

 

カタンってボードゲームを広めまくる。

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ぼくが百島に泊まった翌日は外で遊びまくる予定だったんです。

でも、台風の影響で終日雨だったので、西野さん夫婦たちとドイツ生まれのカタンってボードゲームに熱中してました。

ぼくは初だったので最弱でしたが、これめちゃ面白いんですよー!

たぶんまた百島に行ったら、夜な夜なカタン大会が開催されることでしょう。

参考:カタン (CATAN) 日本語版公式ページ

カタンのおもしろさを教えてくれたのは、先に挙げた西野ご夫妻。

え?じゃあもうカタンを広めまくって、カタンの全国大会が百島で行われたらおもしろくね?

この島では、

・公園のベンチでおじいさん達が将棋盤ならぬカタンを囲む光景がみられる。

・毎年の全国大会開催中は、島の人口が10倍に膨れ上がる。

・島民は開催期間中に1年分の収入を得る。

コレめっちゃカッケーじゃないですか!

 

本土に住んでいる人からすれば、無数に広がる瀬戸内海の島々って、

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こーんな感じに見えるんですよね。

都会のスナックビルのような、選択基準のない世界。

 

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「で、何が違うの?」

 

まとめ

・「放置されたみかんの木」に日本の急速な高齢化を実感した。

・日本の田舎は例外なく若者のエネルギーを強く欲している。

・淘汰されつつある限界集落は、強い個性を発信すればおもろいことが起こる。

 

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「日本の若者よ、田舎に散れ!!」

 

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