【真庭市】次世代最強のビジネスモデルは『ルイーダの酒場』でした。
こんにちは。秘境をめぐる治療家、中村ひろきです。
1日20人出張治療の依頼を受けて、岡山県真庭市へ行ってきました!
過去記事:【真庭市】20代の若者にとって地方移住が完全にボーナスステージな件
「寝床とご飯さえ与えてくだされば、20人まで無料で施術します」というこの企画。
到着した日の夜は、依頼者であるヒラノさんが地元の居酒屋さんへ連れてってくれました。
でね、その居酒屋さんで食事させてもらって、もう驚いちゃったんですよ。
この居酒屋こそ、ロボットに代替されずに末長く愛されるお店に違いないと。
「ロボットに仕事を盗られる!」と騒いでる人は、一読の価値ありです。
そもそも「ルイーダの酒場」ってなに?
(「ルイーダの酒場」をご存知の方は飛ばしてください)
まずは、タイトルの「ルイーダの酒場」の説明から。
ルイーダの酒場とは、ファミコンからスマホのアプリに至るまでシリーズが続く、国民的大ヒットRPGゲーム「ドラゴンクエスト」の中に登場する架空のお店です。
冒険者の主人公は、この酒場で一緒に冒険する仲間を見つけるのです。
で、ぼくが真庭市で訪れた居酒屋が、もう完全にルイーダの酒場だったんですよ。
次章でその理由を説明します。
市長も来店する『割烹おかもと』に衝撃。
ぼくは依頼者であるヒラノさんと、彼の同居人2人と一緒にこのお店を訪れました。
ローカルな香りがぷんぷんする外観だったので、入店する時は少し緊張しました。
「ヨソモノだから変な目でみられるんじゃないかなぁ・・・」
席に着くと、大将(写真左)がおすすめのお酒を自ら地元のチョイスしてくれて、みんなで一緒に乾杯しました。
とてもアットホームな雰囲気で出迎えてくれ、緊張は一瞬にしてほぐれました。
するとヒラノさん。
「ここ、ぼくが移住したすぐに来た時、隣に市長が座ったんですよ。」
え?市長!?マジでビビるわ。都会ならありえない光景ですよね。
名古屋駅で飲んでたら隣に河村市長が座る、みたいな感覚でしょうか。
いやいや絶対ないわ(笑)
続けてヒラノさん。
「それで市長とお客さんで、真庭市について意見交換したんです。」
オイオイ。哲学者と市民が対話してた古代ギリシャの広場かよ(笑)
と、ここで来店した40代くらいの男性二人と同席することに。
何気なく話していたのですが、なんとぼくの隣に座ったのが現職の県会議員さんということが判明。
酔ってたのであまり会話は覚えていませんが、ヒラノさんと同居人たちは、同席した人達に女性や仕事を紹介してもらっていました。
なんなんだこの居酒屋・・・。
政治も、職探しも、男女の出会いも、ストレス解消も、ここで行われてるじゃねーか。
ルイーダの酒場より全然ポテンシャル上回ってるわ。
「リアルなつながり」が価値をもつ時代
さて。少しだけスケールのデカい話をします。
これからの時代は、テクノロジーの進化がぼくらの生活をドンドン変えていきます。
それによって、仕事や家事のほとんどが自宅で完結するようになり、同僚と飲みに行ったり、近所の人と井戸端会議をしたりする機会が激減します。
それは、単純に言えば「孤独になる」ということ。
そう、ぼくらの代わりにロボットが仕事をすればなるほど、人は孤独になっていくのです。
そんなとき人間が欲するのは、気兼ねなくおしゃべりができるコミュニティ。
“誰になんの気を遣うこともなく雑談を話せる居場所”です。
ネットで知り合った仲間でも「ネット上では飽き足らず、リアルで会う」という流れは、もうすでに起こっていますよね。
テクノロジーの進化が速すぎて、人類の孤独に対する耐性が追いつかないのです。
そんなとき、地域住民に「支え」や「やすらぎ」を提供する現代版ルイーダの酒場「割烹おかもと」は、最強のビジネスモデルとして君臨するに違いありません。
なにせ、このビジネスはテクノロジーの力で作れないのですから。
政治家も、地元民も、観光客も、みんな一緒になって話すことができた「割烹おかもと」での時間は、ほんとうに至福の時でした。
さいごに
翌朝、地元の方に「昨日はどこで食事したの?」と聞かれました。
ぼくが「割烹おかもとです」と答えると、
「あぁ。あそこに行ったら、もう真庭を制したようなモンだよ。」
と言われてびっくり。マジでなんなんだよあの店・・・。
将来「地域住民にやすらぎを提供する居場所」を作った時に、そんな風に言われたら最高の褒め言葉ですよね。
そんなぼくは、帰りに大将が飲ませてくれた御前酒(写真中央)を土産に買って帰りましたとさ。
このお酒を飲んで、遠く離れた名古屋から、おかもとの大将の最高に温かい笑顔を思い出すことにするよ。