前屈ができない原因は足裏だった?苦痛ゼロのストレッチで手を床に近づける方法
こんにちは。秘境をめぐる治療家の中村ひろきです!
最近ストレッチをサボり気味だったので再開しているのですが、ぼくは上記の写真のような「前屈ストレッチ」が特に苦手です。
ぼくだけでなく、腰痛持ちの男性で「前屈がニガテ」という方は大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
「前屈がニガテ」という状態は、一般的に「ふとももの後ろが硬いから伸びないんじゃないか」と思われがちです。
しかし、毎回ブログでお話ししている通り「カラダは全身つながっている」ので、一概にふとももの前側が硬いことだけが前屈困難を招いているわけではありません。
では、どこが硬いせいで前屈ができないのか。
今回は、その原因に迫ってみたいと思います。
前屈できない原因は全身にある!?
前屈のストレッチがニガテな人は、とかく「ふとももの裏」や「ふくらはぎ」の痛みを訴えます。
だから、短絡的に「脚の筋肉が硬いんじゃないか」と考えがちなんですが、これは間違い。
実は、前屈ができるか否かのカギを握っているのは、筋肉ではなく、複数の筋肉を包んでいる「一枚の筋膜」なんですね。
下の図を見てください。
頭のてっぺんから足裏まで、カラダの後ろ側にあるたくさんの筋肉をボディスーツのように覆っている一枚の筋膜があります。
(わかりにくければ、自分の頭のてっぺんから脚の裏まで、ビビビーッとガムテープを貼り付けた絵を想像してください。)
カラダが前屈していくためには、この筋膜がスムーズに伸ばされるか否かにかかっています。
筋膜のどこかの部分が柔軟さを失っていると、スムーズに前屈することができず、痛みを起こして「これ以上やめてくれ」という信号を送るわけですね。
つまり、前屈ができない原因は、ふとももの裏だけでなく、この筋膜が走っているどこかの硬さに原因があるということ。
極端に言えば、筋膜上の頭や首の部分が硬くても、前屈の角度は大いに変わってくるということです。
前屈ができない原因は足裏だった
前屈ができない原因は、頭のてっぺんから足裏まで、どこからでも原因になりうる
ということが、ザックリと理解できたでしょうか。
それでは実践編です。
今回は、上で紹介した筋膜のうち、疲労頻度が非常に高い「足裏」を使って前屈の角度を改善してみましょう。
床から手までの距離を測るために・・・
ストレッチポールにメジャーを貼り付けました。
よっしゃ前屈するぜ。
はぁぁぁ?
クッソ硬いなオイ。恥ずかしいわ。
記録は、床から3cmでした。
では、ここから必殺技です。テニスボールを2つ使います。
やっすいヤツで構いません。
そして、足の裏に乗せてグリグリします。
ヨガマットの上でやったほうが滑りません。
1〜2分痛くても気持ちいいところを攻めてください。
そして、もう一度前屈してみると・・・
おお?
ストレッチポール意味ねええええ!!!
さきほどの画像と比較してみると・・・
指全体が床についたので、-10cmくらいでしょうか。
なんと、先ほどの3cmと比較して+13cmも前屈の角度が改善しました。
筋膜の足裏部分の硬さが、これほど前屈動作をジャマしていたとは・・・。
前屈をより効果的に行うポイント
それでは、先ほどの前屈ストレッチをより効果的に行うポイントをまとめます。
入浴後に行う
広く知られている方法ですが、筋肉を温めた状態で行うことでストレッチの精度を容易にあげることができます。
つまり、ストレッチに同じ時間をかけるなら、入浴後に行ったほうがトクということですね。
カラダが喜ぶ入浴法は記事にまとめてあるので、こちらも参考にしてください。
【過去記事】
・冷え性のあなたは今すぐ冷水風呂に飛び込みなさいの法則を教えます。
他の場所もストレッチする
「筋膜が走っている場所のどこに硬さがあっても、前屈の角度に影響が出る」
という理論は、先にお話しした通り。
ということは・・・
この筋膜が走っている「背中」や「腰」や「首」に硬さがあれば、そこをほぐすことによっても前屈の角度が改善する可能性があるということ。
さきほどの実例は、その中でたまたま「足裏」に着目したというだけです。
腰や背中のストレッチでも前屈の角度は変わるので、ぜひお試しください。
ストレッチ関連の記事はこちらを参照ください。
【過去記事】
・腰痛ストレッチ完全版!6つの筋肉を効果的にゆるめる14の方法
・【プロ直伝】大谷翔平の肩甲骨をゲットする5つの超実践ストレッチ - TraveLife
リラックスして行う
カラダが硬い人は、ストレッチを「頑張って」行ってしまいがち。
前屈であれば、息を止めて「気合いを入れて」手を床に近づけようとしてしまいます。
息を止めると全身に力が入り、筋肉がギュッと硬く縮んでしまう。
それを避けるためには、一朝一夕でカラダを柔らかくしようとせず、長い目で見て、力を抜いて、リラックスしながら行うことが大切です。
前屈がニガテであることのリスク
腰痛になりやすい
例えば、上で紹介した筋膜の足裏やふとももの裏が硬くなるとしましょう。
すると、前屈をするときに足裏やふとももの裏が伸びず、腰だけで前屈をしようとしてしまいます。
これを日々繰り返していると、徐々に腰の仕事量が増え、やがて腰痛を引き起こしやすくなります。
その場合、腰痛を引き起こしている元の原因は足裏やふともも裏の筋肉ですよね。
腰が痛いといって腰に電気を当てても1ミリも治らない理由はここにあります。
「腰が痛い=腰が原因」とは限らないのです。
そのためにも、特に慢性腰痛になりやすい男性は、しなやかに前屈できるカラダを保つ必要があるのです。
怪我をしやすい
前屈がニガテということは、先に紹介した筋膜全体の動きが悪いことを示しています。
いわば、カラダの動きを制限するギブスを装着しているようなもの。
これでは、スポーツだけでなく日常的な動作一つをとってもカラダに無理がかかるのは必至。
事実、頻繁にぎっくり腰を起こすような人はほとんど前屈ストレッチがニガテです。
そのためにも、日常的にしなやかに前屈できるカラダを保ちたいものです。
老人体型になる
先に紹介したカラダの後ろ側を走る筋膜が硬くなると、膝が伸びなくなり、写真の左のような「老人体型」に近づいていきます。
こうなれば、地球で重力を受けている限り肩や腰に負担がかかり続けることになり、椎間板ヘルニアや内臓の病気を引き起こしやすくなります。
たった一枚の筋膜ですが、硬くなると万病の元なんですよね。怖い怖い。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回伝えたかったことは「悪い場所に原因はない」ということ。
その一例として、前屈の硬さを足裏で取ってみたというわけです。
この「症状の出ている場所が原因とは限らない」という視点はすごく大切で、
・腰痛の原因が背中だった。
・膝痛の原因が足裏だった。
・頭痛の原因が首だった。
などという例は数をあげたらキリがありません。
「腰が痛くて病院で湿布をもらったけど1ミリも治らない」
という人は、その腰痛の原因は腰以外にあることはほぼ間違いないでしょう。
ぜひ参考にしてみてください!
そいではー!